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lunedì, luglio 19, 2004

時計じかけのオレンジ

30年以上経ってもなお色褪せない、キューブリックのカルトで攻撃的な作品。

clockworkorange.jpg

【あらすじと感想】
アレックスは毎晩仲間と暴力とレイプをあちこちで繰り返していた。
ついに「殺人」を犯して刑務所行きになるのだが
そこで「ルドビコ療法」という医療措置を受けることになる。
その療法は人間の本能から犯罪の部分をなくし、
約二週間で釈放されるというものだった。
**************************************************

あまりにも有名過ぎて、つい観てなかった作品。
他のキューブリック作品は、割とテレビで放送されるのに
この作品はなかなか放送されなくて、
やっと重い腰を上げてDVDレンタルで鑑賞

......なぜこの作品がテレビで放送されないかってのが、理解できたというか。
今、これを一般的に(例えば民放で)放送するとかなりヤバイことになるのかも。
だって、今って本当にアレックスみたいなのが普通にいるんだから。
アレックスの視点で物語は進むので
暴力とレイプは肯定的に描かれて、そこで生じる快楽や興奮が
かなり象徴的にだけど表現されているから。

もう少し自分が若ければ、カッコいいとか
トンがった部分に憧れたりもするのかもしれないけど、
やっぱり見かけはガキっぽくても歳を取ったってことなのか
ちょっとあの感覚にはついて行けなかった。
手放しで「アレックス!かっこいい〜!」とはいかないんですよ。
できないっつうかね。

ただ、キューブリックの力量はやっぱりスゴいの一言。
各シーンに使用されるクラシックの数々。
それが本当にマッチしてる。
「2001年宇宙の旅」にしてもそうだけど
この人の音楽的センスは抜群だと思う。
観終わった後は「第九」が頭の中でループしてる。
年末でもないのに(笑)

セットも全体的に無機質、今でも充分通じそうなインテリアやファッション。
映像としてはとてもオシャレでカッコいい。
そこで表現されていること自体には目を背けたくなってもね。

10代、20代で観ていたら、「好き」って言えたかもしれない。
今はちょっと違うなってのが正直な感想。


しょーもない悪ガキ・アレックス役に、
マルコム・マクドウェル
完璧なまでのアレックスとしての演技。あの不適な笑みが忘れられない。
でも、この役が強烈過ぎて、不遇だったのも否めない。
「オーシャン・オブ・ファイヤー」にカメオ出演してた。
「ヒューゴ・プール」等に出演、近作は「バレエ・カンパニー」が公開待機中。


作家・アレクサンダー役は、パトリック・マギー
アレックス達によって、地獄へ突き落とされる初老の作家を演じている。
「雨に唄えば」がトラウマになっていて、過去の惨事を思い出すシーンは怖すぎ。
「バリー・リンドン」「ラフ・カット」等に出演。

鬼看守長役は、マイケル・ベイツ
規律を重視し、厳しく囚人を管理する看守として登場。
下着一枚だけの女性を見てボーゼンとする表情が面白かった。
「パットン大戦車軍団」等に出演。

追従笑いのディム役は、ウォーレン・クラーク
あの笑いが不気味なんだけど、ちょっと頭の弱い感じのディム。
後に驚きの姿になり、アレックスの前に現れた時は
アレックスと共に「OH!NO〜」となってしまった(笑)
「グリーン・フィンガーズ」「シャンプー台のむこうに」等に出演。

アレックスに舞台上で喧嘩を吹っかける役者役は、
ジョン・クライヴ
「ピンク・パンサー4」等に出演。

アレクサンダー夫人役は、エイドリアン・コリ
彼女が座っていた椅子のデザインが最高。欲しい!
しかし家でのリラックス着があのつなぎで、
下に何もつけてないとは......絶句です。
「ピンク・パンサー4」「ローズ・バッド」等に出演。

ブロードスカイ医師役は、カール・デュエリング
「さすらいの航海」「ポゼッション」等に出演。

冒頭でボコボコにされる浮浪者役は、
ポール・ファレル
この作品の4年後に亡くなってます、これが遺作?

アレックスの部屋を借りて住んでいるジョー役は、
クライヴ・フランシス
すっかりアレックスより家に馴染んで、当然とばかりの態度がすごい。
アレックスより実の息子っぽかった。
「クルーゾー警部」等に出演。主にテレビ作品で活躍。

刑務所所長役は、マイケル・ゴーヴァー
「フランケンシュタイン恐怖の生体実験」「スーパーマン」等に出演。

キャットレディ役は、ミリアム・カーリン
郊外にかなりの数の猫と住む資産家の女性を演じる。
アレックスに果敢に立ち向かうんだけど、ダメでしたね。
「マイセン幻影」「迷宮のレンブラント」「耳に残るは君の声」等に出演。

ジョージー役は、ジェームズ・マーカス
この作品の後はテレビ等に主に出演。

デルトイド氏役は、オーブリー・モリス
アレックスを目の敵にして、いつかしっぽを捕まえようと思っている。
「あん?」が口癖。
「ウィッカーマン」「スペースバンパイア」「マイ・ガール2」等に出演。

刑務所牧師役は、ゴッドフレイ・クィグリー
アレックスが上手く取り入る牧師役。
「バリー・リンドン」等に出演。

アレクサンダーの用心棒・ジュリアン役は、
デヴィッド・ブラウズ。マッチョ体型の用心棒。
アレックスや車いすのアレクサンダー氏を軽々と持ち上げる。
「スター・ウォーズ」シリーズのダースベイダーを演じている。
他「フランケンシュタインと地獄の怪物」等。

アレックスをぶん殴る刑事役は、
スティーブン・バーコフ
かなり今はおっさんですが、当時は若くて、結構カッコいい。
近作は「スティール」。

ダダ(父)役は、フィリップ・ストーン
気の弱い、息子にびくびくのお父さんを演じている。
再びマルコム・マクドウェルと共演した「オー!ラッキーマン」等。

マム(母)役は、シーラ・レイナー
結構オバサンなのに、超ミニスカで、青や紫のカツラを愛用(笑)
どこまでが本気なのかさっぱり分からない。
メイクもすごくて、殆どホラーに近い。
「オーメン」等に出演。

内務大臣役は、アンソニー・シャープ
政策を強行しようと、アレックスに近づく。
一番のワルはこの人なんですね〜。
「王子と乞食」「ネバーセイ・ネバーアゲイン」等に出演。

ブラナム医師役は、マッジ・ライアン
威圧感がかなりある医師で、アレックスもたじたじ。
「フレンジー」等に出演。

監督は、言わずと知れたスタンリー・キューブリック
遺作は「アイズ・ワイド・シャット」。

DVDレンタルにて鑑賞。

こちら↓にもTBしてます
時計じかけのオレンジ@映画生活

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Commenti

おひさしぶりです。
これは「好き」というのとは違うけど、心に残ってしまう映画ですね。
現代では似たような事件が現実に起きているけれど当時は特大センセーションだったでしょうね。
確かに音楽の使い方は天才的!
出演者は、これがいろんな意味でトラウマになったのか、俳優人生でこれ以上のものに出会えたのか、とかが気になるところです...

Scritto da: 赤パン | martedì, luglio 20, 2004 09:26 AM

☆赤パンさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
そうなんですよね、間違いなく拒絶反応を起こす人もいるはずですね、この作品は。
30年前に描いた近未来...、今まさにそれが全て現実になってるってのが、これまた怖いところだなと思ったり。
これの前の作品の「2001年宇宙の旅」も
小学生の頃に初めて観て、理解なんてできるはずもないのに
ものすごく印象に残ってて、大人になってからリバイバル上映で観たけど、やっぱり難解でした(苦笑)
キューブリック作品は難しい。
でもセンスはすごく好きです。

JUGEM大変ですよね、やっと表示は出来る様になったけど
まだ投稿ができない。楽しみなブログのいくつかが
更新できずにいるので、なんか寂しいです。

Scritto da: FLUFFY | martedì, luglio 20, 2004 09:55 AM

おはようございます。魔人でっす。

時計仕掛けのオレンジ最高です!私の中でもかなり好きな映画で、
キューブリックの凄さを見せ付けられたって感じがしました。
彼の作品は音楽もいいですが、やっぱり映像ですね。目が回るような大胆な色使いが素敵ですよ^^

でも、友人に勧めたら、「つまんない」って言われちゃいました・・・。

これからも、よろしくおねがいしまッス!

Scritto da: 魔人 | martedì, luglio 27, 2004 10:01 AM

☆魔人さん
こちらにもどうもです。
そうそう、映像ですね。うん。
使われているインテリアのデザインとか本当にカッコいいです。
基本的にものすごくセンスいい人なんでしょうね。

こちらこそ、これからもよろしくです!

Scritto da: FLUFFY | martedì, luglio 27, 2004 12:24 PM

こんばんは★TB&コメントを有難うございました^^
この作品、本当に衝撃的でしたよ~。
私もこの年ですので(笑)アレックスを格好良いとは
思えなかったです~。
ただ、作品にはホレボレしてしまいました!(^^)!
これから「雨に唄えば」はこの作品のイメージになってしまいました(笑)

そうそう、先日の長い時間のメンテ以来すっごい重くなってしまって、夜になるとろくに編集作業も出来ないんです(T_T)
なので、TBさせて頂きたかったのですが、
それは後日改めて伺わせて頂きますので宜しくお願いしますm(__)m
まったくもってLivedoorはニュースにばかり出現してる
場合じゃないですよ(笑)

Scritto da: てるみ | sabato, ottobre 02, 2004 02:05 AM

☆てるみさん
キューブリック作って、全部観たわけじゃないんですが
「2001年宇宙の旅」とか未だに意味理解できないのに
「なんか好き」ってのがあります。
これは、「好き」とは言いがたいけど「嫌い」とも言えない
何かがある...。そんな作品です。

ひょっとして、私何度もTBやコメントしてしまったかもしれませんね
あの晩はなかなかできなくて「変だなあ」と思ってたので。
もしそうだったら、失礼しました。
無事TB頂きましたよ。毎回どうもです。

Scritto da: FLUFFY | martedì, ottobre 05, 2004 02:17 PM

私ももっと若ければクールだぜで
終わってたかもしれません^^;
逆に今は考えすぎちゃって困りもんです(笑)

Scritto da: だにい | lunedì, ottobre 25, 2004 07:14 PM

☆だにいさん
本当に、この作品については
感想を書くのに困りましたね。
「嫌い」ではないんだけど、手放しで「好き」とは言い切れない。
そんな何かが潜んでます。
観る人によって、または観方によって
受ける印象や、感想が異なる作品だろうし。

確かにだにいさん、いろいろ考えてらっしゃいますよね。
私は、どう感想を書いていいのいか解らなくなっちゃったんで
あえて、作品の本質には触れず
キューブリックの映像スタイルの賞賛に切り替えてしまいました(^^;

Scritto da: FLUFFY | martedì, ottobre 26, 2004 09:29 AM

I commenti per questa nota sono chiusi.

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