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martedì, settembre 21, 2004

アラモ

今も昔もアメリカは「報復」の国。

alamo_ver2.jpg

【プロローグと感想】
1836年、独裁を続けるサンタアナが率いるメキシコ政府から
テキサス独立を目指してアラモ砦に集まった義勇軍。
様々な事情を抱え、様々な目的で軍に参加した男達。
その中には数々の武勇伝で「伝説」となったデイヴィ・クロケットの姿もあった。
指揮官に任命されたトラヴィスは、再三援軍を求める書簡を送るのだが
ヒューストンには、すぐに派兵できない理由があった。
13日に渡る攻防の末、サンタアナが直前までやってくる...。

*********************************
「アラモ」と聞くと、私の親年代は即座に
「ジョン・ウェインの...」という。しかも観ているそうだ。
この映画は直接『ジョン・ウェイン版「アラモ」』のリメイクとはうたっていないけど、
チラシなんか見ると、「あの不朽の名作から44年!」とか書いてあるから
ちょっとは関わりあるんでしょうね。
でも、私は観てない。
全く予備知識なしで挑んだんだけど
作中、なんでメキシコからテキサスを奪うのかとか
どうしてアラモ砦を死守しなければならないのかとか
そういった歴史的背景をあまり語っていないので
よく分からないまま、男達の悲哀を観せられて終わった感じ。
映画自体が本当に不親切だったのか、私の知識が無いためか....。
これから観る人には、オフィシャルサイトで予習するか
ジョン・ウェイン版を観て行かれることをおすすめします
(って、私はまだジョン・ウェイン版は観てないけどさ)

この映画のコピーは「愛する人がいた。守るべき家族があった。
戦う理由など、他にはなかった...。」となってるけど
実際には、どうやら「お金」が絡んでいるみたい。
なんせ、「義勇軍=民衆」であって「正規軍」ではないので。
現に、トラヴィスは借金返済の為に妻や子供と別れてまで義勇軍に参加する。
なんだか現実的ですな。
立派な大義はないのか.....?

もともと、メキシコにアングロサクソン系移民が増えたために
メキシコ政府が危機感を募らせて、移民禁止を宣言したけど無視されちゃって、
解決しようとアメリカがテキサス買収を持ちかけたけど、メキシコ政府はそれを拒否。
怒ったテキサスに住むアメリカ民衆がサン・アントニオを占領して
メキシコから独立を宣言しようとしたってのが、それ前までのいきさつらしい。
あまりに歴史的事実を知らないので、オフィシャルサイトで調べてしまったよ。

で、どっちが悪いのかは知らないけど
今も昔も「独立したいところを助けるのはオラっちの仕事」とばかりに
張り切り、そして「やられたらやりかえす」の精神のアメリカが
この作品でも浮き彫りになってる気がした。

ヒューストンが兵に檄を飛ばす言葉の中に「リメンバー ジ アラモ!」ってのがあって、
それは後の「リメンバー パールハーバー」につながり、
そして「リメンバー911」に。
いつも不意打ちで気の毒とは思うけども
「報復」するより以前に、アタックされないようにどうしてできないのか。
私は、アメリカンカルチャー好きだし、ハリウッド映画も好んで観るけど
アメリカの「報復」を当然とする精神がやっぱ理解できない。

この試写会に、トークスペシャルゲストとして
テリー伊藤がやってきて「熱く」語ってた。
私個人的としては「どうでもいい」人なので、
トークもイマイチだったんだけど
最後に前方の客席の人を巻き込んでの宣伝アピールとして
「リメンバー・ジ・アラモ!!!」とかけ声パフォーマンスさせられてて
なんだかそこに悲哀を感じてしまった(^^;


【キャスト】

サム・ヒューストン役は、デニス・クエイド
テキサス軍司令官のヒューストン。堅物なのか人間関係で損しているらしい。
しかも酒のみ。一考あってなかなか派兵をしないでいる。
最近また上り調子のデニス・クエイド。出番は少ないけど卒ない演技。
演じるデニス自身もテキサス・ヒューストン出身。
芸歴は長く、70年代半ばから活躍。
「ヤング・ゼネレーション」「ジョーズ3」
「ライトスタッフ」「第5惑星」「インナースペース」(SF三部作?)
「D.O.A.」「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」
「愛と哀しみの旅路」「フレッシュ・アンド・ボーン/渇いた愛のゆくえ」
「ワイアット・アープ」「愛に迷った時」
「ドラゴンハート」「ファミリー・ゲーム/双子の天使」
「エニイ・ギブン・サンデー」「オーロラの彼方へ」
「トラフィック」「オールド・ルーキー」「エデンより彼方に」等多数。
近作は「デイ・アフター・トゥモロー」
兄にランディ・クエイド。元妻はメグ・ライアン。

デイヴィ・クロケット役は、ビリー・ボブ・ソーントン
数々の武勇伝で既に伝説の男と化しているデイヴィ・クロケット。
歌にも唄われるくらいに有名なのだが、そのイメージのギャップに疲れている。
それでも自然に人を集めてしまうカリスマ性がある。
....でも本当に常に疲れている感じ満載だったなあ〜。いいんだろうか。
ビリー・ボブ・ソーントンは、強い男も弱い男も、神経質な男も適当な男も
いろいろ演じちゃう人。スゴイっす。
ミュージシャン活動もしていて、離婚歴は何回も。
その中にはアンジェリーナ・ジョリーも当然含まれている。
「フォー・ザ・ボーイズ」「幸福の条件」
「トゥーム・ストーン」「デッドマン」等に脇役で出演し
「スリング・ブレイド」で主演・監督・脚本をこなし、
同作でアカデミー脚色賞を受賞。マルチな才能とカメレオンぶりを見せつける。
他に「もののけ姫」(英語版:ジゴ役)
「Uターン」「パーフェクト・カップル」
「ワイルド・スモーカーズ」「アルマゲドン」
「シンプル・プラン」「狂っちゃいないぜ」
「バーバー」「バンディッツ」
「チョコレート」「ディボース・ショウ」
「ラブ・アクチュアリー」等で独特の存在感を表している。
公開待機作は「バッドサンタ」
監督作として「すべての美しい馬」「Daddy and Them」がある。

ジム・ボウイ役は、ジェイソン・パトリック
アラモ砦のある土地に最愛の妻が埋葬されている。
テキサスにいる民兵には人望が厚いが、不治の病に侵されている。
ナイフ使いの名人。
演じるジェイソンは、祖父も母も父も俳優、
そして腹違いの兄弟(ジョシュア・ジョン・ミラー)も
全員俳優という芸能一家。
結構主役作品は多いのに、なんだかイマイチぱっとしないのは気のせい?
やっぱり原因は大コケの「スピード2」なんだろうか...。
ちなみに「ロストボーイ」では若き日のキーファーが観られます。
「太陽の7人」「ロストボーイ」
「レッド・アフガン」「アフター・ダーク」
「ジェロニモ」「スリーパーズ」
「スピード2」「迷宮のレンブラント」
「NARCナーク」等に出演。

ウィリアム・トラヴィス役は、パトリック・ウィルソン
浪費家なのか、借金返済のために妻と子供二人と別れてまで、軍に参加する
アラモ砦の指揮官に任命されるが、26歳と若い為に認められずに苦悩する。
演じる、パトリックは舞台での活躍が多い。
ブロードウェイミュージカルの「フルモンティ」「オクラホマ!」等。
ちょっと「フルモンティ」を観てみたい気がする。
今作が本格映画デビューなのだとか。
若干生え際が気になるけど(^^;綺麗な人。要チェックですぞ。(笑)
お父さんはテレビのキャスター、お母さんは歌手でヴォイストレーナーだそうな。
特な役でもあったけど、周りがおっさんだったので目立ってた(笑)
今年のエミー賞で11冠達成した「Angels in America」にも出演。
最新作は、お気に入り俳優ジェラルド・バトラーが主役をつとめる
「Phantom of the Opera」う〜む“ヒトツブで二度おいしい”感じだな。(笑)

サンタアナ将軍役は、エミリオ・エチェバリア
emilio_echevarria.jpg
いきなり写真が直接登場(笑)インパクトありすぎ。
気分屋で、口答えしたりする配下は即刻射殺!
という非情な性格のサンタアナ。
戦闘地で優雅にお茶を飲んだり、豪華な食事をしたりする。
演じる、エチェバリアはメキシコでは有名な俳優。
映画と舞台と両方こなす。
「アモーレス・ペロス」「天国の口、終わりの楽園。」
「007/ダイ・アナザー・デイ」等に出演。

ホワン・ゼギン役は、ジョルディ・モリャ
メキシコ人だが、独立を目指す義勇軍にいる。
伝令としてヒューストンの元に向かう。
演じるモリャはバルセロナ生まれのスペイン人。
「ハモンハモン」「私の秘密の花」
「ペネロペ・クルス/情熱の処女(おとめ)〜スペインの宝石〜」
「裸のマハ」
「パズル」「ブロウ」
「マルティナは海」「バッドボーイズ2バッド」等に出演。
結構好みのルックス(笑) クリス・ペプラーに似てる(?)
今回、出番はあまりないけど、印象に残る瞳で存在感をアピール。

ウィリアム・ワード軍曹役は、レオン・リッピー
「キング・オブ・ハーレー」「スターゲイト」
「13F」「パトリオット」
「スパイダーパニック!」「ライフ・オブ・デヴィッド・ゲイル」等に出演。

ジェイムス・ボナム役は、マーク・ブルカス
ジムの後にずっといたので、ジムの部下なのか。
戦場なのに、えんじのトップハットを被っているシャレものだった。
なにしろ台詞が一言もなくて(^^;結構アップになるのだけどね〜。
海外テレビドラマ「バフィー恋する十字架」を観ている人ならお馴染み。
バフィーの彼氏(現在は元カレですが)のライリーを演じてた人。
「エディー/勝利の天使」の端役でスクリーンデビュー。
「カラー・オブ・ハート」「ワンス・アンド・フォーエバー」
「インプラント」「ハッピー・フライト」等に出演。

Micajah Autry(読めない^^;)役は、ケヴィン・ペイジ
多分、デイヴィ・クロケットの友人だと思われ。
「ボディ・ターゲット」「ストーン・コールド」
「真実の瞬間」「ダーク・エンジェル」
「ロボコップ」等に出演。

アルメロン・ディッキンソン役は、スティーヴン・ブルトン
アラモ砦近くで妻子と暮らすキャプテン。妻思いの男。
情報が本当に少なくって困ってるんだけど、多分この人は
リンク先のブルースミュージシャンと思われる。顔が同じだし、
テキサス中心に活動してる人みたいだから、この作品に関連してるし。
もし情報違ったら教えてくださいませ。
「スター誕生」「天国の門」
「デンジャラス・ビューティー」等に出演。

スザンナ・ディッキンソン役は、ラウラ・クリフトン
アルメロンの妻、常に子供を胸に抱き恐怖に怯えた演技だった気がする..。
「ニュー・ガイ」等に出演。
彼女もテキサス出身。


【オフィシャルサイト】
英語 
日本語

試写会にて鑑賞
於:東京厚生年金会館

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アラモ@映画生活

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Commenti

試写会もレディースデイもシルバーも使えない私は
これを映画の日のハシゴリストに入れるか迷ってました
ヴァンヘル、アイロボット、アラモみたいな感じ(笑)

他の評価を見て回ったら酷評が多かったのですが、
観る人に要求するタイプの映画じゃないかと思いました。
その一つは、おっしゃるように下地の問題だと思います
キング・アーサーの時のように、クロケットやボウイなど
登場人物を知っていたかの違いが大きいと思います。
もう一つは、これは私の解釈では西部劇ではないと思うので
娯楽性より史実に興味があるかという点です。
この二つを満たせないと、つまんないだろうなと思ってました

OK牧場の決闘は良いけど、ワイアットアープはダメだった。
ジョン・ウェインのアラモや、アラモの歌まで知ってる私は
西部劇は好き。そうなると・・・
この手の作品で×だとダメージ大きいからDVD待ちが無難かな?

Scritto da: だにい | giovedì, settembre 23, 2004 11:35 AM

☆だにいさん
こんばんは。レディースデイがあるなら、メンズデイもあればいいのに(笑)
それはさておき、ごもっともなご意見で
思わず唸ってしまったですよ〜。
これは、アメリカで制作されたアメリカ人向けの映画なのかもしれない。
(史実としてこのアラモ砦の戦いを知っている人対象)
史実としては動かない事実があるのだから、そこをどう演出するか
演じる役者がどう表現するかってのを観るのかもしれないですね。
日本人が「忠臣蔵」を毎度毎度違う役者で観たいのと同じかな(^^;
あれも歴史的背景なんかを知っているのと知らないのとでは
楽しみ方が全然違いますしね。
史実を知ってないと、この映画の妙に叙情的なラストに
すっかりダマされてしまう人続出だと思うんですよね〜
(観てのお楽しみってとこですが)あの演出はヤバいだろうってシロモノですよ。
DVDですか〜。だにいさん宅みたいにホームシアターになってれば
それでもいいかも。

Scritto da: FLUFFY | giovedì, settembre 23, 2004 09:39 PM

はじめまして。
「アラモ」のUS版チラシ?怖いですね。
ラズムスのIn The Shadowsカッコいいですが、ちょっとCD買うまでにいたりませんでした。
ブリンク182とかカサビアンとか1~2曲しかよくないアルバムが続いたもので...
10月5日の「お父さんのバックドロップ」が当たったので行ける方を探してます。

Scritto da: 冬のマーケット | domenica, settembre 26, 2004 12:56 AM

はじめまして〜、いらっさいませ。
記事中の画像は多分、US版のポスターですね。
砦が燃えてます(笑)
カサビアンはサマソニで好評だったみたいですが、
CDは買ってませんねえ。ダメですか〜。
試写会行けるかた見つかるといいですね。

Scritto da: FLUFFY | domenica, settembre 26, 2004 09:08 PM

西部劇はあまり好きじゃないんですけど
デニス・クエイド意外とでてますよね。
ロング・ライダースは端役でしたけど
ワイアット・アープは超かっこよかったし>ドク

アラモ砦の重要性が私にはよくわからなかったけど
テキサス人にとっては特別のものだったんでしょうね

Scritto da: あおい | lunedì, settembre 27, 2004 08:18 AM

FLUFFYさんこんにちは。
テリー伊藤よけいでしたよね。(笑)
スペインが原住民から略奪し、メキシコからアメリカが略奪し、メキシコにいったん取り戻されたのをまたアメリカが略奪・・。一体誰が悪いんでしょうね。自分はアメリカが悪いような気がします。
また同じ試写会を見ていたら面白いですね。
ではでは。

Scritto da: h_m_55 | lunedì, settembre 27, 2004 08:48 AM

☆あおいさん
お久しぶりです!
あおいさんはデニス・クエイドファンでしたもんね。
私「ワイアット・アープ」観てないんですよ。
機会があったら観てみます。

☆h_m_55さん
いらっしゃいませ〜。
そうそう、テキサスの独立って言っておきながら
最終的には、アメリカの一つの州になっちゃってるんですからね。
都内なら同じ試写会観るってのも、またありそうですね。
ちなみに、今後の予定は「コニー&カーラ」と「ツイステッド」です。

Scritto da: FLUFFY | martedì, settembre 28, 2004 11:07 PM

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