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martedì, novembre 16, 2004

山猫【イタリア語・完全復元版】

カンヌでグランプリに輝いたヴィスコンティの傑作が、完全版として蘇る。

ilgattopardo3.jpg

【プロローグと感想】
1860年、統一戦争真っ最中のイタリア。
貴族支配からの解放を求めて、ガリバルディが率いる赤シャツ隊が
シチリア島に上陸。
山猫の紋章のサリーナ公の元にも、その知らせは届くのだが.....

******************************************

実は、今回がヴィスコンティ作品の初体験なのだ。
恥ずかしながら、映画=ハリウッドものと思っていた10代20代では
全然観る気もしなかった。
淡々と流れるヨーロッパのテンポってものが
じれったくって我慢ならなかったってこともある。
なので、「山猫」ってタイトルは知っていても、本当にマジメに
動物のドキュメンタリーだと思っていた。(^^;

イタリア語を勉強しているということもあって、
今回の【イタリア語・完全復活版】はヴィスコンティの世界を体験するのに
ちょうどいい機会。
既に「名作」とうたわれている作品だけに、
ハスに構えて、アラ探しなんかせず、ちょっと襟を正して
(といっても普段着だし「映画の日」だったから¥1000だったけども)
素直に堪能してきた。

現在挫折中(苦笑)の原作とほぼ忠実に進むストーリー。
本を読んで想像していたよりも、重厚で荘厳なイタリア貴族の世界。
いかに自分の想像力が貧困かってのを思い知らされる。

見所はやっぱり、舞踏会のシーン。
「二度と再現できない」と言われているだけあって、本当に凄い。
エキストラには実際に貴族たちが出演していて、
おそろしくある部屋にどこにも人がいるんだから。
そして、みんな本当に踊り続ける、額に汗を光らせながら。
なんか汗が妙にリアルだった。
お年を召した貴族女性の白髪縦ロールも相当スゴいインパクトが。

リアルだな、と思ったシーンはもう一つあって
ドンナフガータの別荘に到着した時の一行の姿。
砂塵にまみれて全員、頭から真っ白だった。
移動手段は馬車か馬、貴族といえども、自然には勝てないらしい。

サリーナ公とアンジェリカのダンスシーンは
アラン・ドロンが演じたタンクレディじゃなくても
男の人は嫉妬して、女の人は見惚れてしまうくらい、完璧。

「山猫」が動物のドキュメンタリーだと思っていた時よりも、
ちょっとは成長したかなと思うのだけど、
やっぱり、疲れもあってか舞踏会のシーンは時折意識が飛んでしまった(^^;
こういう映画は、また何年か後にもう一度みたくなる作品だと思う。

BABBIのチョコレートが劇場限定で売っていた。
注)BABBIのサイトにリンクしてあるけど、これは劇場限定なのでサイトでオーダーできないそうです。
V6010052.JPG
これで、¥1890(高い!)もともとBABBIのチョコは高価なんだけど、
チョコレートウェハースで美味しいのよね。
もったいないので、まだ食べてません(^^;
いつ食べようかな〜。

【キャスト】
サリーナ公爵役は、バート・ランカスター
この作品公開時のランカスターは、50歳。
まだまだ壮年で、こんな初老の役を演じるのには若いなと思うけど
世代交代が目前に迫った男の(しかも貴族)の悲哀を崇高に演じてた。
「殺人者」でスクリーンデビュー。
「真昼の暴動」「暴れ者」
「裏切りの街角」「復讐の谷」
「愛しのシバよ帰れ」地上(ここ)より永遠に」
「アパッチ」「ヴェラクルス」
「空中ブランコ」「OK牧場の決斗」
「成功の甘き香り」「旅路」
「許されざる者」「明日なき十代」
「ニュールンベルグ裁判」「愛の奇跡」
「五月の七日間」「大列車作戦」
「ビッグトレイル」「プロフェッショナル」
「インディアン狩り」「汚れなき抱擁」
「さすらいの大空」「大空港」
「追跡者」「追撃のバラード」
「ワイルド・アパッチ」「スコルピオ」
「家族の肖像」「ビッグ・アメリカン」
「1900年」「カサンドラ・クロス」
「合衆国最後の日」「ドクター・モローの島」
「ズールー戦争」「戦場」「アトランティック・シティ」
「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」「バイオレント・サタデー」
「フィールド・オブ・ドリームス」等に出演。

アンジェリカ・セダラ役は、クラウディア・カルディナーレ
ドンナフガータで初めて姿を現した時に魅せた洗練されていないけど迫力のある美しさと、
舞踏会のシーンでの完璧に貴族になったドレス姿の美しさと、
それぞれ別のタイプの美しさを表現。
「上と下」「女は選ぶ権利がある」
「若者のすべて」「鞄を持った女」
「太陽の誘惑」「ビアンカ」
「フェリーニの8 1/2」「ピンクの豹」
「ブーベの恋人」「サーカスの世界」
「目かくし」「名誉と栄光のためでなく」
「プロフェッショナル」「アフリカ大空輸」
「恋人泥棒」「太陽の200万ドル」
「華麗なる対決」「ラ・スクムーン」
「鉄人長官」「オフサイド7」
「フィツカラルド」「クラレッタ・ペタッチの伝説」
「ア・マン・イン・ラブ」等に出演。

公爵の甥、タンクレディ・ファルコネリ役はアラン・ドロン
タンクレディの登場シーンには、特にファンでなくても心奪われるだろう。
サリーナ公とは正反対に生き生きとして若々しく登場するのだから。
眼の怪我のための黒い眼帯がまたなんとも似合い過ぎ。
「黙って抱いて」「お嬢さん、お手やわらかに!」
「太陽がいっぱい」「素晴らしき恋人たち」
「太陽はひとりぼっち」「地下室のメロディー」
「危険がいっぱい」「泥棒を消せ」
「名誉と栄光のためでなく」「パリは燃えているか」
「冒険者たち」「サムライ」
「悪魔のようなあなた」「さらば友よ」
「太陽が知っている」「シシリアン」
「ボルサリーノ」「仁義」
「もういちど愛して」「帰らざる夜明け」
「レッド・サン」「暗殺者のメロディ」
「リスボン特急」「高校教師」
「スコルピオ」「暗黒街のふたり」
「愛人関係」「アラン・ドロンのゾロ」
「フリック・ストーリー」「パリの灯は遠く」
「友よ静かに死ね」「チェイサー」
「エアポート’80」「危険なささやき」
「鷹」(監督/主演)「スワンの恋」
「アラン・ドロン/私刑警察」「ヌーヴェルヴァーグ」
「カサノヴァ最後の恋」
「ハーフ・ア・チャンス」を最後に映画界から引退を表明。

ドン・カロージェロ役は、パオロ・ストッパ
野心家ぶりが、滑稽に感じる程の行動と言動。
さらに、アンジェリカとは実際に父娘の関係なのか.....?
疑惑はいろいろあれど、貴族の時代の終わりと共に台頭してきた男。
「ファビオラ」「悪魔の美しさ」
「ミラノの奇跡」「懐かしの日々」
「ドン・カミロ頑張る」「女の平和」
「シューベルト物語/愛の交響楽」「ナポリの饗宴」
「バストで勝負」「広場の天使」
「掟」「カルタゴ」
「ローマで夜だった」「若者のすべて」
「狂った情事」「ベケット」
「日曜日には鼠を殺せ」「訪れ」
「ピストン野郎」「紳士泥棒/大ゴールデン作戦」
「ウェスタン」「女性上位時代」
「クレイジー・ボーイ/ミサイル珍作戦」等に出演。

マリア・ステッラ・サリーナ公爵夫人役は、リーナ・モレッリ
一応サリーナ公には愛されているが、その病的なまでの感情の高ぶりが
時にサリーナ公を浮気に追いやる。
「懐かしの日々」「夏の嵐」
「愛は惜しみなく」「汚れなき抱擁」
「生きる歓び」「ビアンカ」
「哀しみの伯爵夫人」「イノセント」等に出演。

ピッローネ神父役は、ロモーロ・ヴァッリ
浮気の口実に、同行をさせられたりする気の毒な神父。
「暗殺指令」「戦争・はだかの兵隊」
「五人の札つき娘」「危険なデイト」
「鞄を持った女」「ビアンカ」
「ボッカチオ’70」「訪れ」
「夕なぎ」「悲しみの青春」
「ベニスに死す」「夕陽のギャングたち」
「家族の肖像」「1900年」
「ボビー・デアフィールド」「悪魔が最後にやってくる」等に出演。

カウリアーギ伯爵役は、マリオ・ジロッティ(テレンス・ヒル)
コンチェッタを愛するが、なかなかタンクレディが好きなコンチェッタは
振り向いてくれない....。
「空挺部隊」「カルタゴ」
「ハンニバル」「マチステ」
「海賊魂」「荒野の決断」
「西部のリトル・リタ〜踊る大銃撃戦〜」
「荒野の三悪党」「皆殺しのジャンゴ/復讐の機関砲」
「風来坊/花と夕日とライフルと...」
「ミスター・ノー・ボディ」「ミスター・ノーボディ2」
「笑う大捜査線」「外人部隊フォスター少佐の栄光」
「レッドオメガ追撃作戦」「ビッグ・ファイター」等に出演。

公爵長男・フランチェスコ・パオロ役は、ピエール・クレマンティ
原作では、馬しか愛せない青年と紹介されているが、映画ではそういうシーンは出て来なかった。
長男らしく、いろいろとこまめに動く青年だった。
「草原の脱走」
「昼顔」「めざめ」
「銀河」「暗殺の森」
「内なる傷痕」「スウィート・ムービー」
「赤いポスター」「小さな唇」
「カルテット」「愛と死の天使」
「グッバイ・モロッコ」等に出演。

公爵長女・コンチェッタ役は、ルチッラ・モルラッキ
タンクレディを愛し、実際にいい仲までいくのだが、
アンジェリカの出演によって、彼との結婚は夢と消える。
この作品を含めて映画出演は3作のみ。

ガリバルディ軍の将軍役は、ジュリアーノ・ジェンマ
またの名をモンゴメリー・ウッド。この名前でマカロニウェスタンを量産する。
赤シャツ姿で走り回る、やけに色男がいるなと思ったら、どうも彼らしい。
「ベニスと月とあなた」「ベン・ハー」(ノンクレジット)
「タイタンの逆襲」「シェラザード」
「夕陽の用心棒」「続・荒野の1ドル銀貨」
「続・さすらいの一匹狼」「荒野の1ドル銀貨」
「キスキス・バンバン」「南から来た用心棒」
「星空の用心棒」「荒野の一つ星」
「さいはての用心棒」「怒りの荒野」
「バスタード」「荒野の大活劇」
「復讐のダラス」「特攻大戦線」
「新・さすらいの用心棒」「ミラノの恋人」
「シャドー」「クラレッタ・ペタッチの伝説」
「女たちのテーブル」「仁義なき街」
「フィレンツェの風に抱かれて」「シークレット・ポワゾン 背徳の蜜事」
「王女ファナ」等に出演。

公爵の次女・カロリーナ役は、イーダ・ガッリ
またの名をイヴリン・スチュワート。
彼女もこの名前でマカロニウェスタンに出演。
「甘い生活」でデビュー。
「ひと夏の情事」「戦場を駈ける女」
「ローマの崩壊」「続・さすらいの一匹狼」
「荒野の1ドル銀貨」「077/地獄の挑戦状」
「続・殺しのテクニック/人間標的」
「空爆大作戦」「熱砂の戦車軍団」
「声なき殺人者」「ナイトチャイルド」等に出演。

公爵の三女・カテリーナ役は、オッタヴィア・ピッコロ
とにかく一番にぎやかなキャラだった。
この作品が映画デビュー作。
「わが青春のフロレンス」「帰らざる夜明け」
「愛すれど哀しく」「家庭教師」
「アラン・ドロンのゾロ」「ラ・ファミリア」
「バロック」等に出演。

ドン・チッチョ・トゥメオ役は、セルジュ・レジアーニ
実のところ、彼とサリーナ公の関係が、映画を観ただけでは
あまり理解できなかった。結構忌憚なく意見が言える様な関係みたいだけど?
「美しき争ひ」「神々の王国」
「二百萬人還る」「輪舞」
「初恋」「私の罪ではない」
「想い出」「ナポレオン」
「悪者は地獄へ行け」「レ・ミゼラブル」
「狂った年輪」「パリの旅愁」
「いぬ」「ジャガーの眼」
「25時」「冒険者たち」
「影の軍隊」「汚れた血」
「蜂の旅人」「アラン・ドロン/私刑警察」
「コンタクト・キラー」「プレイバック」等に出演。
今年の7月に死去。

パラヴィチーニ大佐役は、イーヴォ・ガッラーニ
「大進軍」「ヘラクレス」
「カルタゴ」「マラソンの戦い」
「汚れた英雄」「アトランティス征服」
「前進か死か」「闘将スパルタカス」
「ゴールデン・ハンター」
「山いぬ」「ワーテルロー」
「悪魔が最後にやってくる」
等に出演。


【オフィシャルサイト】

日本語

新宿高島屋 テアトルタイムズスクエアにて鑑賞

こちら↓にもTBしてます
山猫@映画生活

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Commenti

お久しぶりの感想記事ですね.

僕もちょっと意識が飛んじゃった時ありましたね.
ただ淡々と静かに,そして優雅に3時間を過ごすってのは,
なかなか疲れますな.

僕も最初は「山猫」をメインにした動物ものなのかな?って思ったんですけど,
あれって家紋からきてて,サリーナ公爵を指していたみたいですね.

そうそう.馬車で移動してきたあとの砂をかぶったように白くなってたシーン.
あれ見たときに,あれ?って思ったんですよね.
まさかそこまでこだわるのか,って気がしましたよ.変に綺麗にしてるより,
砂漠を抜けてきたんだってのがよりリアルに感じることができましたね.

舞踏会のシーンは,感動ものだったですね.すごく長いのに見てて飽きない.
普段の僕なら無駄だろう,って思えるぐらいの長さなはずなのに,
あんまりにも優雅で美しくて,あれ?もう終わりなの?ってぐらいに
呆然と魅入ってました.

Scritto da: onox | mercoledì, novembre 17, 2004 a 12:54 p.

☆onoxさん
コメントまで遅くなっちゃった。ほんと、すみません。
最近は、テレビドラマ「24」ですら3時間連続(つまり3話分)
ですら体力持たない状態です。
でも、こういう淡々と流れる3時間っていうのがあってもいいと思うのです。映像にあるほぼ全てが、今現在観る事ができないものだとしたら、それはそれで凄い貴重な体験だと思うし。
あと10年くらいしたらまた観てみたいですね。
自分の視点が変わってるかもしれない。

Scritto da: FLUFFY | giovedì, novembre 25, 2004 a 11:32 m.

はじめましてトム(Tom5k)と申します。
TBさせていただきました。

Scritto da: トム(Tom5k) | martedì, gennaio 10, 2006 a 12:50 m.

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 わたしはルキノ・ヴィスコンティ監督の映画における知性は、彼が若いころにジャン・ルノワール監督の助監督をしていた時代の影響が大きかったのではないかと推測しています。ルノワール作品『ゲームの規則』には「映画においては、すべての人間の言いぶんが正しい。」とのセリフがあり、これはヴィスコンティ作品の悲劇の土台となっている思想ではないかと思われるのです。「が正しい」という言葉を「をすべて認める」と読み替えるとよくわかります。 ゲームの規則 / 紀伊國屋書店  彼の作品はすべて... [Continua a leggere]

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