ビヨンド the シー〜夢見るように歌えば〜
【プロローグと感想】
母と姉、義兄に可愛がられて育ったボビー少年は
リウマチ熱からくる心臓の病気で
15歳までしか生きられないと医師に宣告されてしまう。
寝たり起きたりの生活だったが、音楽を心のよりどころにし
いつしか夢は歌手デビュー。
そして夢も叶い順風満帆に思えていたのだが・・・・。
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実在したポップス歌手、ボビー・ダーリンの半生を
彼の大ファンだというケビン・スペイシー本人が
監督・脚本・主演・歌とすべてこなしてしまった作品。
当然、歌は吹き替えなし!
本当はそこまで全部自分がやるつもりではなかったらしい。
私はボビー・ダーリンを知らなかったが、
母は世代だったらしく、ラジオで毎晩聴いていたそうだ。
残念ながら、今は忘れられつつある歌手かもしれない。
奇しくも同時期に「Ray」という映画で
レイ・チャールズの半生を描いた作品が公開されて
主演のジェイミー・フォックスの熱演もあり
アカデミー賞にもノミネートされたりしている。
同じ様に実在する歌手を題材とした
両作品の話題の格差はなんだろう。
やっぱり、素材なのかな。
レイ・チャールズはあまり知らない人いないものね。
本家の歌声を知らないまま、
ケビン・スペイシー版を映画の中で聴いた。
いやもう、ただただ脱帽。
信じられないくらい上手いんだから。
なんの不安もない唄いっぷり。
スクリーンの中でも堂々としてるし、
バンドと共に楽しんで唄っているのが分かる。
最初にボビー・ダーリンを知らないと書いたけど
実は手持ちのサントラ:「スウィンガーズ」に一曲収録されてたコトに
ついさっき気が付いた(笑)
本家を聴いてみても、ち、違いが分かりません(^。^;)
きっと、ボビーとケビンをミックスしてアルバム作っても
何の違和感もないんじゃないかと・・・。
決して、ケビンが単なる物まねをしているワケではなくって
たぶん声質が似てるんだと思う。
そしてケビン自身、ボビーのファンでいて(母の影響ならしい)
小さい頃からヘアブラシをマイク代わりに彼の歌を歌ってそうだから。
確かに、当時のボビーの年齢からすれば、
ケビン・スペイシーは年を取りすぎてるとは思うけど
(実に22歳くらいから36歳くらいまでを演じてるけど、あまり変化なし:笑)
堂々とした歌いっぷりと、ダンスを見せつけられてしまうと
いつの間にか見た目年齢はあんまり関係なくなってくる(っていうかマヒ?)。
少年ボビーと大人のボビーが会話したり、
いきなりのミュージカルや、
過去と現在が交錯したりと、ちょっと演出で遊んでて
ケビン曰く、フェリーニの影響を受けているんだとか。
ボビー本人にもドラマティックな事件があるので
内容はそんなに平坦じゃないんだけど、
生き急いだ感がある彼の半生を
暗くなく仕上げていて、後味は結構さわやか。
ショウのシーンで、マイクから一旦離れて
歌に入る時にちょっと遅れてしまうところがあって
そこで「おお!吹き替えじゃないんだ〜本当に唄ってるのね!」と
妙に関心してしまった(笑)
これで味をしめてしまったのか
どうやらバンド率いてツアーしてるらしいですね(笑)
日本になんてまさか来ないだろうけども
生で観てみたいなあ。
【キャスト紹介】
ボビー・ダーリン役は、ケビン・スペイシー。
スゥイングしたり、ポップス、
挙げ句にフォークといろんなジャンルを
熱唱。当然だけど演技も◎。
ただし年だけは誤魔化せなかったけどね(笑)
「心みだれて」でスクリーンデビュー。
「ワーキング・ガール」「見ざる聞かざる目撃者」
「晩秋」「テロリストを撃て!」
「ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女」
「摩天楼を夢みて」「隣人」
「白銀に燃えて」「ザ・プロデューサー」
「アウトブレイク」「ユージュアル・サスペクツ」
「セブン」「評決のとき」
「L.A.コンフィデンシャル」「真夜中のサバナ」(監督・主演)
「交渉人」「キャスティング・ディレクター」
「バグズ・ライフ」(声の出演)「アメリカン・ビューティー」
「ビッグ・チャンス」「私が愛したギャングスター」
「ペイ・フォワード 可能の王国」「光の旅人 K-PAX」
「シッピング・ニュース」「16歳の合衆国」(制作も)
「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」等に出演。
今後の出演予定は
「Edison(原題)」でモーガン・フリーマン、
ジャスティン・ティンバーレイクと共演。
ブライアン・シンガー監督の「Superman Returns(原題)」にも出演予定。
サンドラ・ディー役は、ケイト・ボスワース
アイドル!って感じで実にキュート。
結婚当日のオロオロぶりが面白かった。
オーランド・ブルームと付き合ってたけど、最近別れたとか。
「モンタナの風に抱かれて」「タイタンズを忘れない」
「ブルークラッシュ」「ルーズ・オブ・アトラクション」等に出演。
出演予定作は「Bee Season(原題)」(リチャード・ギア出演)
「Awake(原題)」(ジャレッド・レト共演)
ブライアン・シンガー監督の「Superman Returns(原題)」ではロイス役で出演
スティーブ・ブローナー役は、ジョン・グッドマン。
ボビーのマネージャー役。
スティーブ本人もケビンの歌声は絶賛だったとか。
「愛に向かって走れ」「チャド」
「マリアの恋人」「デヴィッド・バーンのトゥルー・ストーリー」
「赤ちゃん泥棒」「パンチライン」
「熱き愛に時は流れて」「シー・オブ・ラブ」
「オールウェイズ」「ステラ」
「アラクノフォビア」「ラルフ一世はアメリカン」
「バートン・フィンク」「夢を生きた男/ザ・ベーブ」
「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」
「ボーン・イエスタデイ」「恐竜大行進」(声の出演)
「未来は今」「フリントストーン/モダン石器時代」
「悪魔を憐れむ歌」「ブルース・ブラザース2000」
「ビッグ・リボウスキ」「救命士」
「デスリミッツ」「2999年異性への旅」
「オー・ブラザー!」「コヨーテ・アグリー」
「ラマになった王様」(声の出演)
「ジュエルに気をつけろ!」「ストーリーテリング」
「モンスターズ・インク」(声の出演:サリー)等に出演。
義兄・チャーリー役は、ボブ・ホスキンス。
ボビーの姉・ニーナの夫。ボビーの良き兄であり理解者。
地味だったけど、案外重要な役。
「ローヤル・フラッシュ」「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」
「コットンクラブ」「未来世紀ブラジル」
「モナリザ」「死にゆく者への祈り」
「ロジャー・ラビット」
「ジプシー/風たちの叫び」(監督・脚本・出演)
「私の愛したゴースト」「恋する人魚たち」
「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」
「フック」「映写技師は見ていた」
「ブルー・アイス」「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」
「ニクソン」「バルト」
「シークレット・エージェント」「マイケル」
「トゥエンティフォー・セブン」「スパイス・ザ・ムービー」
「従妹ベット」「フェリシアの旅」
「スターリングラード」「メイド・イン・マンハッタン」
「スリーピング・ディクショナリー」「コンクリュージョン」
「Vanity Fair(原題)」「マスク2」等に出演。
母ポリー役は、ブレンダ・ブレッシン。
ボビーが音楽の道に進んだのは、この母の影響。
「リバー・ランズ・スルー・イット」「秘密と嘘」
「ガールズ・ナイト」「リトル・ヴォイス」
「ミュージック・フロム・アナザー・ルーム」
「SONNYソニー」「スリーピング・ディクショナリー」等に出演。
メリー役は、グレタ・スカッキ。
サンドラ・ディーの母親。
サンドラの生活のすべてを支えていて、母というよりも
マネージャー役としてサンドラを可愛がっていた。
「熱砂の日」「コカコーラ・キッド」
「ア・マン・イン・ラブ」「グッドモーニング・バビロン!」
「白い炎の女」「三人姉妹」
「推定無罪」「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」
「抱きしめたいから」「ザ・プレイヤー」
「Emma エマ」「悪魔のくちづけ」
「レッド・バイオリン」「コットン・メリー」
「ジョン・マルコヴィッチのレディース・ルーム」等に出演。
姉・ニーナ役は、カロリーネ・アーロン。
結構ビジュアル的にインパクトのあるお姉さん。
各年代とも殆どドラッグクイーンみたいなカッコです(^。^;)
でも実はとっても寂しい人だったんですね・・・・。
「天使の失踪」「ベイビー・イッツ・ユー」
「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」
「心みだれて」「アンナ」
「ワーキング・ガール」「ウディ・アレンの重罪と軽罪」
「シザーハンズ」「アリス」
「ディス・イズ・マイ・ライフ」「夫たち、妻たち」
「めぐり逢えたら」「シェフとギャルソン、リストランテの夜」
「地球は女で回ってる」「パーフェクト・カップル」
「地上より何処かで」「2999年異性への旅」
「ラッキー・ナンバー」「偶然の恋人」
「ポリーmy love」「セルラー」等に出演。
ディック役は、ペーター・チンコッティ。
「スパイダーマン2」(ノンクレジット)でスクリーンデビュー。
アンドレッティ医師役は、マイケル・バーン。
右側・・・なんですけど解り辛い(^。^;)
「鷲は舞いおりた」「遠すぎた橋」
「ナバロンの嵐」「恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ」
「チャンピオンズ」「フィル・コリンズin バスター」
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
「ノストラダムス」「ブレイブハート」
「セイント」「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」
「ゴールデンボーイ」「バトルフィールド・アース」
「プルーフ・オブ・ライフ」「ヤング・ブラッド」
「トータル・フィアーズ」「ギャング・オブ・ニューヨーク」等に出演。
リトル・ボビー役は、ウィリアム・ウーリッチ。
今作品がデビュー作。
ケビンに負けず劣らず芸達者で、歌とダンスも上手。
第一アシスタントディレクター役は、ジェイク・ブローダー。
「逃亡犯」「マーダー・ネット」等に出演。
これから公開される作品は
「ザ・ジャケット(原題)」(エイドリアン・ブロディ主演)
「Shadows in the Sun(原題)」(ジョシュア・ジャクソン出演)等。
【ボビー・ダーリンとサンドラ・ディーのフィルモグラフィー】
ボビー・ダーリン
結構ケビン・スペイシーにも似てる!?
「底抜け一等兵」(ノンクレジット)「西部に賭ける女」(ノンクレジット)
「ママは腕まくり」(ノンクレジット)「ペペ」
「九月になれば」※
「ステート・フェア」「突撃隊」
「電話にご用心」※「おかしな気持」※
「早射ちガンマン」等に出演
「ニューマンという男」ではアカデミー助演男優賞にノミネート。
※はサンドラ・ディーと共演作品
サンドラ・ディー
サンドラ・ディー本人が、20日に亡くなったそうです。
享年62歳。
「雪の女王」(英語版声の出演)「ギジェット」
「悲しみは空の彼方に」「避暑地の出来事」
「黒い肖像」「びっくり大将」
「九月になれば」「電話にご用心」
「タミーとドクター」「恋愛留学生」
「彼女は億万長者」「おかしな気持」
「ダイヤモンド作戦」等に出演。
【サウンドトラック】
「BEYOND the SEA original motion soundtrack」
Amazonで試聴するBeyond the Sea
ケビン・スペイシーが全曲を熱唱。
シナトラ風のスウィングあり、50’sポップスあり
70’Sなフォークもありといろんなジャンルを唄ってます。
でも聴いてて楽しいのはスウィングかな。
オススメは
M-1,M-5,M-6,M-16
特にM-16は私の大好きなヘンリー・マンシーニの
「シャレード」をカヴァーしててお気に入り。
私が購入したのは輸入盤。
ジャケットも昔のLPジャケットみたいにしてあって、
なかなか凝ってます。
試写会にて鑑賞
於:九段会館
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ビヨンド the シー 夢見るように歌えば@映画生活
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I commenti per questa nota sono chiusi.
Commenti
こんにちは
本人の歌と聞き比べても違和感ないんですか。
凄いですね。
劇中の歌声に聞き惚れてしまったのも納得です。
Scritto da: ジャス | mercoledì, marzo 02, 2005 01:32 PM
☆ジャスさん
こんばんは。
あまりの上手さに驚きました。
途中まで吹き替えだと思ってたくらいです
(ゴメン、ケビン・スペイシー)
オープニングから魅せてくれますね。
サントラお気に入りですよ、もう。
特に「Mack The Knife」は、スゴイ好き。
Scritto da: FLUFFY | mercoledì, marzo 02, 2005 07:52 PM
「ビヨンド the シー」「ラ・メール」ですよね。
頭の中、最近もぐるぐるこの曲は流れますな~~(苦笑)離れない、ベックもそーなんですが、交互にやってくる~♪
Scritto da: ツボヤキ | mercoledì, marzo 09, 2005 06:01 AM
☆ツボヤキさん
本当によくできてます、このサントラは。
あ、映画もボビーに対する愛情が
とてもよく感じられますよね。
関係者の評判がいいってのが証拠でしょう。
Scritto da: FLUFFY | venerdì, marzo 11, 2005 10:51 PM
あまり調べなかったのですが、
ハゲはわざとかな?
アデランスのCMのように髪の毛を抜いたんじゃないかと思って、律儀な役づくりに涙がこぼれてしまいました。
Scritto da: kossy | mercoledì, maggio 18, 2005 12:48 PM
☆kossyさん
ハゲは、どうやら自虐ネタな部分もあるらしいです(笑)
圧巻だったのは、ヅラが整然と整理されてたシーンですかね。
Scritto da: FLUFFY | domenica, maggio 22, 2005 12:53 AM