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mercoledì, maggio 11, 2005

オールドボーイ

15年間理由も知らされずに監禁されていた男の復讐劇

oldboy

【プロローグと感想】
妻子あるごく普通のサラリーマン、オ・デスは
ある日突然何者かに拉致されて監禁されてしまう。
そして、15年後突然解放される。
誰が何のために拉致監禁し、そして15年たってから解放したのか!?
オ・デスは知り合ったミドという娘と
その理由を探ることにするのだが・・・。

****************************
※感想は核心に触れていますので未見の方は注意!

実は、韓国映画やTVドラマが苦手な私。
先日もスニークプレビューで、
うっかり、とってもベタな
韓国純愛映画を観させられてしまったので
更に更に(^^ゞ苦手意識が強かったのだけど
そんな私の好みや近況を知っている友人Aが

敢えて、薦めてきた作品。
それが「オールドボーイ」。

彼女は、今までの人生で「一番」と
言い切る程の絶賛ぶりだった。
「もっとあの世界に浸っていたかった」
というくらいのハマりっぷり。

当然、多少なりとも期待をして観てしまうではないか。

原作が漫画であることを意識してるのか
所々、漫画タッチの映像やセリフも存在していて
展開が早く、確かに時間を忘れる程だった。
構成が巧みなんだと思う。

ポイントになる小道具がいろいろ出てくるんだけど
それの使い方、見せ方が見事だった。
日常生活の道具って、案外武器になるんだねえ。

天使の羽根の使い方も上手い。
オ・デスが羽根を付けた時の動きと
ミドが羽根を背負っている時の動きが同じなのには
密かに驚いた。そんな表現の仕方って。
そんな風に二人の関係を観客に判らせるなんて。
まあ、私はDVDパッケージで
ミドが羽根を背負っている写真を見てしまったので
ミドとデスの関係はミドが出てきた時に
薄々気が付いてしまったんだけど。

オ・デスの復讐はイ・ウジンの復讐と相対している。
ウジンは自分の悪業を正当化して、
きっかけ過ぎなかったオ・デスに対して復讐心を燃やす。
オ・デスは自らの罪を忘れてしまっている。
それは、催眠術で忘れさせられた訳ではなく
彼にとって「取るに足らぬこと」だったから。
ウジンとしてみれば、忘れられている事自体悲しいのだが
忘れてしまっている者に、
一方的に復讐を行っても意味がない。
だから、ウジンはデスに対して自分を恨む様に仕向け
更に恐ろしい境遇へ導いていく。
その辺りの表現が痛すぎる。
身体的にも感覚的にも目を覆いたくなる程の表現が多い。
でも、巧妙過ぎてウンザリするくらい感心してしまう。

私は普段から、映画を俯瞰で観るクセがあるため
どんな作品でも
物語の中の登場人物に感情移入をして観ない。
普通は、
登場人物と自分を置き換えて観たりするそうだけど
この作品を観た人は、いったい誰に自分を置き換え、
そして近い、似ていると思うのだろうか。
それとも、誰にも共感できずに
作品自体を受け入れられずに終わるのだろうか。
本当に好みの別れる作品だと思う。

とても上手く作られているのだけど
ちょっとツッコミたくなる部分があった。
15年の監禁生活の前には、
たぶん携帯を使ったことがないと思われるデスが
(拉致は公衆電話前だったし)
いきなり音の鳴った携帯に慌てもせず、
電話に出て会話出来ているところが不自然だった。
確かに、TVを観ることは出来たので
携帯の存在は知ってておかしくないけど、
実際携帯を使ったことすらない人は
「どうしたら電話に出られるか」
ってことが判らないんじゃないか?
唯一の情報手段だったTVから
イロイロと知識は得たみたいだけど
携帯電話を使うというコトも、
得意の「想像上の訓練」で会得したもの?
それとも、この動作自体も「催眠術」??

ウジンとデスは見た目の年が違いすぎじゃないか?
確かウジンの姉がデスと同い年だから
年下なのは間違いないが、
大人になってからの差が激しすぎ。
まあ、これも理由としては
15年間理由を知らされずに監禁されていた男と
裕福に暮らしていた男とでは
額に刻まれる皺も違うってもんだと
解釈すれば理解できそうなんだけど。(^^ゞ

とはいえ、あまり穴の見つからない作品なのは確か。
それはツッコミを入れたくても
「きっとこうだったんだろう」って
自分なりに解釈しようという
気にさせられてしまうから。
作品の持つパワーなのかもしれない(苦笑)

【キャスト紹介】
※今回はメインキャストのみにさせて頂きます。
オ・デス役は、チェ・ミンシク
minsik_choi
この作品を薦めた友人Aは、
「チェ・ミンシクがかっこよく見える」
と言い切っていた。
「観終わった後は、取り憑かれる」とも(笑)
確かに、冒頭の「腹ぼってり」系のオッサンぶりから一転してスーツの妙に似合う「おじさん」に徐々に変化していっている。その豹変ぶりはスゴイものがあるし、
芸達者な人なんだなと感心。
ホレはしませんが(^^ゞ
特典ディスクに、
役作りのために体を絞り込むトレーニング
(主にボクシング)をしている映像が入っていた。
4ヶ月で別人になったのにはびっくり。
1963年生まれなのね、まだ40代前半なのか〜。
「われらの歪んだ英雄」「ナンバー・スリー No.3」
「クワイエット・ファミリー」「シュリ」
「ハッピーエンド」「パイラン」
「酔画仙」「ブラザーフッド」などに出演。

ウジン役は、ユ・ジテ
jitae_yu
ルックス的にも受け入れ難い人でした(^^ゞ
つるっと能面みたいで(失礼)一番ニガ手なタイプ〜。
(私のプロフで私の好みを知っている人なら理解して頂けるかと)
ただ、何を考えているのか判らない感じは上手い。
作中で「バッタのポーズ」なるヨガ(?)
っぽい格好をするシーンの為に
相当訓練してた(^^ゞ案外難しいみたい。
「リメンバー・ミー」「友引忌」
「リベラ・メ」「春の日は過ぎゆく」
「ワンダフルデイズ」(声の出演)
「Mirror 鏡の中」等に出演。

ミド役は、カン・ヘジョン
Mi-do
とても可憐で可愛かった。
特に口元がキュート。
前半の妖艶さ、不可解さからだんだん
保護が必要な可憐な状態になる過程が素晴らしい。
オーディション場面の彼女は、
まだまだ原石っぽい感じだったけど
どこかやはりオーラが違っていた。
スカートをはき慣れないとかで、それで緊張するなんて
大物っぽいぞ(笑)
終わった後に、素で転ぶところなんか
かなり笑っちゃうんだけどね。
「Nabi(原題)」「美しい夜、残酷な朝」などに出演。

【オフィシャルサイト】
日本語

大絶賛の友人AよりDVDを借りて鑑賞
(というか彼女はジャイアンなので強引に貸してくれた)

こちらにも↓TBしてます
オールド・ボーイ@映画生活
「むーびーだいやり〜」さんすっかりハマったようで。
「雑記帳+」さんあまりの衝撃に疲労感が酷かったそうです。

【関連モノ】

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Commenti

FLUFFYさん、こんばんは。
コメントとTB、そして記事内に紹介までして下さって、どうもありがとうございます。

評判良いし、色んな人が絶賛されているし、私もそういう点は理解(納得)しているけれど、どうしても、手放しで絶賛出来なかったです。
(先日、てるみさんトコでテンション下げちゃうコメントをしてしまったんですが・・・てるみさん、すみませんでした。)

俳優さん達もスッゴク目を引いたりして、引き込まれる物は大いにあったけれど・・・あの色んな痛々しさを受け入れられなかった。。。

…こんなコメントしちゃって、いいんですかね?
(FLUFFYさん、ゴメンなさい。)

携帯のツッコミどころは、今更「ハッ!!」としてしまいました。
能面顔の所といい・・・所々、「クスッ」と笑わせてもらっちゃいましたヨ。

Scritto da: aju | giovedì, maggio 12, 2005 09:41 PM

こんばんは~。
TB有難うございました!
記事中にリンクまでして頂いて恐縮ですm(__)m

私もベタな韓国恋愛物って苦手なんです^^;
こういうサスペンス的な作品は割りと好んで見るのですが、この作品は結構衝撃度が強かったです!
創り方は上手だなぁ・・と思いますよねー。
でも、ajuさんみたいに、受付けられない方がいらっしゃるのもすごい頷けるんですよね。
好き嫌いをはっきりと分かれさす作品だと思いますもんね^^;
ハリウッドのリメイク、どんなになるでしょうねー?雰囲気はかなり違う気もしますが、楽しみです^^

Scritto da: てるみ | venerdì, maggio 13, 2005 01:10 AM

こんばんわ。
先日、時間がなかったのでTBだけ入れさせてもらいました。
この映画、俳優陣が演技が凄い。
特にチェ・ミンシク。舌シーンは本当に迫真です。
大切なものはいったい何なのか考えさせられる作品でした。

Scritto da: 月の風 | venerdì, maggio 13, 2005 11:07 PM

はじめまして
わたしもチェ・ミンシクはかっこいいと思います。「シュリ」の北朝鮮兵役からのファンですが、チョット不良っぽくって、優しさがあって、芸達者だし。でも「オールド・ボーイ」は、ストーリー的にいまいちでした。「パイラン」がよかったなあ。

Scritto da: もっきぃ | lunedì, maggio 16, 2005 02:32 AM

こんにちは。
これ去年のmyベスト1の映画でした(笑)
DVDも早くから予約して即効で見ましたよ~♪
メイキング面白かったですね。
カン・ヘジョンちゃんが包丁持ってきてるトコとか笑っちゃいましたよ(普通貸さないだろっ!みたいな)

原作も後日全部読みましたが、あの原作からよくこの映画に作り上げたな~と改めて驚きました。
*原作も面白かったです

Scritto da: モン基地の母 | martedì, maggio 17, 2005 11:15 AM

☆ajuさん
コメント遅くなってしまいました!
Reトラバじゃない時(私からTBする時)は
記事中にリンク貼ることにしたんですよ〜(*^_^*)
ajuさんは内容的に受け入れられなかった部分が多いのですよね。
映画を観て感じるものは人それぞれ違いますから
それもアリだし、別にコメントとしては全然問題ないですよ。
あの痛々しさって、観る人が絶不調の時に観たら
たぶんきっと、相当落ち込むとは思うし(^^ゞ
能面顔・・・笑っちゃいましたか(^^ゞ
ファンの方には本当に申し訳ないんですけど。


☆てるみさん
ajuさんへのコメントにも書きましたが、
私からTBさせて頂いた時は、
記事中にリンク貼ることにしたんです。

私が観たベタな韓国映画はこの秋公開ですよ、ちなみに(笑)
確かに、衝撃度が強いですね。
はり倒される感じ?
ハリウッドのリメイクであの雰囲気を出せるかどうか
イマイチ判りませんが、公開したらきっと観ちゃうだろうな〜。

☆月の風さん
TBとコメントもありがとうございます。
チェ・ミンシクの演技は壮絶でした。
あんなに痛い演技観たのは久しぶりかも。

☆もっきぃさん
初めまして!
たくさん韓国映画観ていらっしゃるんですね。
チェ・ミンシクは作品ごとに違う雰囲気を醸し出していそうですね。
「パイラン」オススメなのですね。

☆モン基地の母さん
こんにちはー。
そうでしたね、
確かにこの作品をベスト1にしている方多かったです。
あの包丁を携帯か何かのようにオーディションで扱っている
カン・ヘジョン、笑えました。
原作、気になります。内容が違うっていうので。

Scritto da: FLUFFY | martedì, maggio 17, 2005 02:17 PM

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