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mercoledì, maggio 18, 2005

私のことを覚えていて

ある意味リアルな、現代のイタリア家族像

Ricordati di me

ricordatidime

【プロローグと感想】
カルロとジュリアは、二人の子供を持つ夫婦だが、
最近はそれぞれに昔ほど愛情を感じ無くなっている。
二人の子供は思春期にさしかかり、あまり親の言うことを聞かない。
カルロは友人達のパーティで、かつて恋人だった
アレッシアと再会する。
「今度お茶でも道?」と気軽に挨拶を交わす。
ジュリアは、友人に舞台に出てみないかと誘われる。
かつてジュリアは舞台女優を目指したこともあった。
娘のヴァレンティーナは、ダンスを習い
テレビタレントになることを夢見ていて、オーディションを受ける事に。
そして、息子のパオロは、女友達のイラリアが気になり、
「何かデカイことをしたい」と願っているのだった・・・・。

**********************************
『イタリア映画祭 2005』で観た一作目。

イタリアの家族って言うと、なんだか無条件に
全員仲がよくって、幸せ一杯って感じがしてしまうけど、
この作品はある意味リアルな今のイタリアを描いている。
それぞれが、それぞれ好き勝手に生活して、
夫は焼けぼっくいに火がつき、作家になりたかった自分を思い出す。
家の中心の「マンマ」は常にヒステリックでわめき散らしている。
そして、かつての自分を取り戻そうと舞台女優に挑戦するのだが
自分のふがいなさに自信をなくしたりする。
娘はテレビタレントになる為なら、恋人とも別れ
男を踏み台にのし上がる術を身につける。
息子は、イマイチぱっとしないけど
何かしでかそうと悶々と過ごしている。
好きな彼女にもあまり相手にされない毎日。

タイトルは「私のことを覚えていて」となっているけど
別に誰かが記憶をなくす内容じゃない。
「覚えていて」=「気にかけて」って意味だと思う。
全員が全員自己主張しまくりなんだもの。
そんなもんだから、一時期バラバラになりかける家族。
でも、「ある事件」をきっかけに
本来の家族像を取り戻す事になる。

イタリア=暖かい家庭という
ステレオタイプのイメージとは全く逆の現状。

結局みんな、若い頃の夢とか希望とかとは、
かけ離れた生活をしている。
唯一の例外は娘のヴァレンティーナかな。彼女は結構強か。
あ、妻のジュリアも案外願は叶えられたのかもしれない。

とても厳しい目で、時に笑いを折り込みながら
テンポよく描かれている。
インテリアもオシャレでカッコイイ部屋ばかり。
ヴァレンティーナがあこがれて
飛び込んで行くショウビズの世界も
きらびやかでハデ。
使用されている音楽も、結構楽しい。

笑ったのはジュリアの恋かなあ(^^ゞ
まさかあんな結果になるとはねえ。

不思議だったのは携帯の扱い。
家の電話を父と娘で取り合うシーンがあるんだけど
それぞれ二人とも携帯を持っていて、
外ではそれを使ってるのに?
家では携帯使わないんだろうか〜?

夫のラストの笑顔は、何を考えているんだろうか。


【キャスト紹介】
カルロ役は、
ファブリツィオ・ベンティヴォッリョ
fabrizio_bentivolglio
作家になりたかった夢と、アレッシアへの愛を
突如思い出してしまう中年男。
中盤のキレっぷりが最高でした。
「作家マゾッホ・愛の日々」
「アパートメント・ゼロ」「マラケシュ・エクスプレス」
「アメリカから来た男」等に出演。

ジュリア役は、
ラウラ・モランテ
laura_morante
最近疎遠な夫や、思春期で言うことを聞かない子供達に
常にヒステリックにわめき散らすジュリア。
女優の夢を再び歩むが、なかなか思い通りにはいかない・・・。
娘のオーディション結果に、娘より怒っている姿が可笑しい。
「監督ミケーレの黄金の夢」「僕のビアンカ」
「幻の女」「厚化粧の女」
「裏切りの情事」「セクシャリティーズ」
「息子の部屋」
「プロジェクトV史上最悪のダム災害」
「ダンス オブ テロリスト」等に出演。

ヴァレンティーナ役は、
ニコレッタ・ロマノフ
nicoletta_romanoff
望みの為なら手段を選ばない、強か娘。
なはずだけど、実は・・・。
この映画がデビュー作。
他TVで「Un anno a primavera(原題)」に出演。

パオロ役は、
シルヴィオ・ムッチーノ
silvio_muccino
一番もがいて、あまり報われないパオロ。
妹にもバカにされている。
今作の監督、ガブリエーレ・ムッチーノの弟。
「最後のキス」「CQ」
「デス・サイト」等に出演。
「Come te nessuno mai(原題)」と
「Che ne sarà di noi(原題)」の脚本も手がけている。

アレッシア役は、
モニカ・ベルッチ
カルロが焼けぼっくいに火がついてしまった、その相手。
かつての恋人、アレッシア。
子供も二人いるが、こちらも夫婦間は冷めている様子・・・。
全然、良い妻とか良い母が似合わないキャラなのよね(^^ゞ
「モニカ・ベルッチの情事」
「モニカ・ベルッチの エッチなだけじゃダメかしら?」
「ドラキュラ」「アパートメント」
「ドーベルマン」「モニカ・ベルッチ ジュリア」
「ライク・ア・フィッシュ」
「アンルーリー 復讐の街」
「ストリッパー パリ18区」「アンダー・サスピション」
「マレーナ」「ジェヴォーダンの獣」
「ミッション・クレオパトラ」「アレックス」
「ティアーズ・オブ・ザ・サン」
「マトリックス・リローデッド」
「シンバッド 7つの海の伝説」(声の出演)
「マトリックス・レボリューションズ」
「パッション」「スパイ・バウンド」等に出演。
今後の作品は、テリー・ギリアム監督作、
マット・デイモン、ヒース・レジャー出演の
「The Brothers Grimm(原題)」等。

アルフレード役は、
ガブリエーレ・ラヴィーア
gabriele_lavia
ジュリアが出演する舞台の演出家。意外な秘密が。
過去出演作を見ると、ホラーかエッチ系かって感じで(^^ゞ
「デアボリカ」「サスペリアPART2」
「インフェルノ」
「スキャンダラス・鏡の中の背徳」(監督・脚本・出演)
「ベレッタの女/最後の誘惑」(監督・脚本・出演)
「海の上のピアニスト」「スリープレス」等に出演。

ステファノ役は、
エンリコ・シルヴェストリン
enrico_silvestrin
うさんくさいルックス(^^ゞ
ヴァレンティーナと付き合うTV番組ホスト役。
「Come te nessuno mai(原題)」や、
「Che ne sarà di noi(原題)」等、
ムッチーノ作品に主に出演。
他はTV出演が多数。

エレナ役は、シルヴィア・コーエン
ジュリアの友達で、演劇に誘う。
「雨上がりの駅で」他に出演。

リッカルド役は、アルベルト・ジミニャーニ
alberto_gimignani
カルロの上司。ブチキレたカルロに酷い目に遭わされる。
「ラ・ファミリア」他に出演。

パオロ・トゥッチ役は、ピエトロ・タリコーネ
pietro_taricone
オーディションに来たヴァレンティーナに目を付ける。
単なる踏み台でしかなかったと解った時の表情が忘れられません。
上手すぎ。
イタリアのテレビ番組「Grande fratello」でデビュー。
映画出演は「Radio West(原題)」と今作。
他はテレビ出演。

イラリア役は、ジュリア・ミケリーニ
giulia_michelini
パオロがあこがれる同級生。
危ないルートも知っていて、結構危険な香りもする女の子。
テレビシリーズ「Distretto di polizia 3(原題)」でデビュー。
映画出演は今作が初。

アンナ・ペッツィ役は、マリア・キアラ・アウジェンティ
ヴァレンティーナの親友。ダンスや歌はヴァレンティーナよりも上手ならしい。
突如TVに映ったヴァレンティーナを発見したときの
アンナとそのマンマの反応は最高だった。
映画出演は今作が初、デビュー作でもある。
他は「Tre metri sopra il cielo(原題)」
「L'uomo perfetto(原題)」など。

監督は、ガブリエーレ・ムッチーノ
「Intolerance(原題)」で監督デビュー。
他「Ecco fatto(原題)」「Come te nessuno mai(原題)」
「最後のキス」等。
役者としても出演作があり、
テレビでは「È proibito ballare(原題)」
映画では「Atto di dolore(原題)」にて
クラウディア・カルディナーレと共演している。

【オフィシャルサイト】
イタリア語

【関連モノ】
サウンドトラック

イタリア映画祭 2005にて鑑賞
於:有楽町朝日ホール

イタリアがとても好きなkaiokoさんの感想は簡潔かつポイントをついています。
「ラ ドル知ヱ  美ータ。」

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Commenti

はじめまして~。TBさせていただきました。
キャストのプロフィール、詳しくてすごいですね。ラウラ・モランテとてもキレイな女優さんなのに、モニカ・ベルッチと比べちゃうと、普通の奥さんにみえるから不思議ですねえ。
パオロ役のシルヴィオ・ムッチーノが、家族が大変なことになってるのに、ボケっとしてたのは何なんでしょうね。癒し系なキャラで好きでした。

Scritto da: マヤ | lunedì, luglio 18, 2005 10:12 PM

☆マヤさん
初めまして!
すっかり一ヶ月ぶりとなってしまいました(^^ゞ
モニカ・ベルッチはやっぱり迫力ありますね。
私が習っていたイタリア語の先生(イタリア人)は
好きじゃなかったみたいで、「バカ」って言ってましたけど。
私もパオロの行動は他の家族と逆行してるんだけど
彼なりに頑張っている結果だってのが
なんだか気の毒な部分でもあり、一番好きでしたね。

Scritto da: FLUFFY | giovedì, agosto 18, 2005 01:15 AM

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Di seguito i weblog con link a 私のことを覚えていて:

» 私のことを覚えていて Ricordati di me [私のイタリア映画紀行]
私のことを覚えていて Ricordati di me 監督:ガブリエレ・ムッチーノ(Gabriele Muccino) [あらすじ]    現代ローマの中流より上の家庭の物語。父親はかつての恋人に再会して愛が再燃。家庭を捨てて恋におぼれてしまい、母親はそれを必死に食い止めようとする。兄は..... [Continua a leggere]

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